ムーミン×戦勇。

□プロローグ
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湿った山の土を踏みしめて、少々ボロが目立ち始めた黄色い服をまとい、帽子を被った男は荷物を背負い直した。

宛はない、ただ己が行きたい方へ、世界を見てまわるために進む。
それがこの男、スナフキンである。

そんな自由と孤独を愛する旅人である彼は、荷物の他に、子どもを背負っていた。
道の途中で倒れていたのである。この近辺にはまず村も町もないので、疑問に思いながら近づいて驚いた。
服には恐らく血であろうものがべっとりと付いていた。
だが体のどこにもそんな傷はない、精々かすり傷程度なのだ。
本当なら関わりたくないが、見てしまったものを見過ごせる様な残酷さは生憎持ち合わせていない

だからこうして連れてきたのだ。

それが出会いだった

**

男は読んでいた日記を切り株の上に置くと、ほう、と息を吐いた。
それとほとんど同時に、テントの入り口がバサリと開いた。

「パパ、魚が焼けたよ」

「ああ…ありがとうシルフ」

出会いはあのとき

「時間の流れっていうのは早いなぁ、シルフに会ってから3年も経ったんだから」

「それ本当?すごいなぁ3年かぁ……ボク、パパって呼び始めたのなんでだっけ。パパは覚えてる?」

「(当たり前だろ…)さてね…よし、そろそろ行こうか」
 

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