Mulier
□恋の勘違い
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────…
佐江「ハァ、ハァ、ハァ……」
玲「佐江……」
友美「大丈夫だよ、玲!
佐江のことだから、すぐに元気になるよ!」
佐江をベッドに寝かせると、ともちんが元気付けて来た。
それでも私は佐江の手を握り心配し続ける。
なんでこんなに佐江の事が心配なんだろ?
いつもなら、佐江なら大丈夫!って思うのに…
私は才加が好きなはず…
だって才加と佐江が仲良く話してるの見て、才加に嫉妬するんだから…
あれ…?
もしかして逆だったかな?
だから才加が撮影残ってるって言った時、そこまで残念じゃ無かったのかな…
私は一人そんな事を考えながら、寝ている佐江に呟く。
玲「熱があるなら、断ればよかったのに…」
佐江「ハァ、ハァ……
だって、玲からの、誘いだったから…」
すると、いきなり佐江が返事をした。
そして佐江が言った一言に呼応するかのように、私の鼓動が速度を増す。
玲「佐江?!
ごめん!気づいてやれなくて…」
佐江「ぅうん…、玲は悪くないよ…(笑)」
そう言って精一杯の笑顔を見せる佐江
それを見た瞬間、私の胸は一気に締め付けられた。
あぁ、なんで今ごろ気づくんだろう…
佐江が告白してくれた時になんで気づかなかったんだろう…
佐江「ん…、玲…?」
玲「ごめん、佐江
私バカだ…
今ごろ本当の気持ちに気づくなんて…」
佐江「本当の、気持ち…?」
私は意を決して、佐江が告白した言葉をそのまま返した。
玲「私、佐江の事好き!
今気づいた理由は言わない…
佐江に言い訳したくないから!」
佐江「……玲」
玲「ごめん、自分勝手で…
佐江の告白断っといて、何言ってんだろ…(笑)」
私が一人、ネガティブモードに入っていると、佐江が力が入らないにも関わらず目一杯、手を握り返してきた。
佐江「んーん…
佐江はそれでも嬉しいよ?
だから、佐江と付き合って下さい…!」
玲「……はい…」
佐江「へへ…(笑)
今ごろ気づくなんて、玲はバカだね?」
玲「ぅっ…
仕方ないじゃん!
佐江と才加が話してるの見て、才加に嫉妬したんだから…///」
佐江「…?それ、普通に考えて…、佐江に恋してるって、ことじゃないの?」
玲「えっ?!
嘘!?だって才加に嫉妬したから、才加の事が好きなんだと…」
佐江「才加に嫉妬してるってことは、才加にヤキモチ妬いてるってことだよ?(笑)」
玲「そんなぁ…ι
じゃあ、ずっと勘違いしてたって事?」
佐江「うん、そう言うことだね…(笑)」
なんだ…
じゃあ、私が自分の気持ちに勘違いしてただけか…
私たちが話していると、ともちんが控えめに声を出す。
友美「あのさ…
甘い雰囲気のとこ悪いけど…、佐江、熱大丈夫?」
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