Mulier

恋の勘違い
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────…




佐江「ハァ、ハァ、ハァ……」


玲「佐江……」


友美「大丈夫だよ、玲!
佐江のことだから、すぐに元気になるよ!」




佐江をベッドに寝かせると、ともちんが元気付けて来た。


それでも私は佐江の手を握り心配し続ける。


なんでこんなに佐江の事が心配なんだろ?

いつもなら、佐江なら大丈夫!って思うのに…


私は才加が好きなはず…

だって才加と佐江が仲良く話してるの見て、才加に嫉妬するんだから…


あれ…?
もしかして逆だったかな?

だから才加が撮影残ってるって言った時、そこまで残念じゃ無かったのかな…


私は一人そんな事を考えながら、寝ている佐江に呟く。




玲「熱があるなら、断ればよかったのに…」


佐江「ハァ、ハァ……
だって、玲からの、誘いだったから…」



すると、いきなり佐江が返事をした。

そして佐江が言った一言に呼応するかのように、私の鼓動が速度を増す。




玲「佐江?!
ごめん!気づいてやれなくて…」


佐江「ぅうん…、玲は悪くないよ…(笑)」




そう言って精一杯の笑顔を見せる佐江


それを見た瞬間、私の胸は一気に締め付けられた。


あぁ、なんで今ごろ気づくんだろう…

佐江が告白してくれた時になんで気づかなかったんだろう…




佐江「ん…、玲…?」


玲「ごめん、佐江
私バカだ…
今ごろ本当の気持ちに気づくなんて…」


佐江「本当の、気持ち…?」




私は意を決して、佐江が告白した言葉をそのまま返した。




玲「私、佐江の事好き!
今気づいた理由は言わない…
佐江に言い訳したくないから!」


佐江「……玲」


玲「ごめん、自分勝手で…
佐江の告白断っといて、何言ってんだろ…(笑)」




私が一人、ネガティブモードに入っていると、佐江が力が入らないにも関わらず目一杯、手を握り返してきた。




佐江「んーん…
佐江はそれでも嬉しいよ?
だから、佐江と付き合って下さい…!」


玲「……はい…」


佐江「へへ…(笑)
今ごろ気づくなんて、玲はバカだね?」


玲「ぅっ…
仕方ないじゃん!
佐江と才加が話してるの見て、才加に嫉妬したんだから…///」


佐江「…?それ、普通に考えて…、佐江に恋してるって、ことじゃないの?」


玲「えっ?!
嘘!?だって才加に嫉妬したから、才加の事が好きなんだと…」


佐江「才加に嫉妬してるってことは、才加にヤキモチ妬いてるってことだよ?(笑)」


玲「そんなぁ…ι
じゃあ、ずっと勘違いしてたって事?」


佐江「うん、そう言うことだね…(笑)」




なんだ…
じゃあ、私が自分の気持ちに勘違いしてただけか…


私たちが話していると、ともちんが控えめに声を出す。




友美「あのさ…
甘い雰囲気のとこ悪いけど…、佐江、熱大丈夫?」





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