トワイライト
□05
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俺は自由になりたかった。
気まぐれな性格だからかも知れないがエルドラドの考え方に嫌気を感じていた。
逃げ出して、気ままに街を転々と旅をしながら逃げている毎日でど構わなかった。
だけど、そうもいかない状況になった。
フェイと別れて街を出ようとした時、俺の目の前にアイツがいた。
「レイン・ガレット。マスターの命令により、お前を拘束する」
「…アルファ」
アルファはプロトコル・オメガのキャプテンでルート・エージェントの一人だ。つまり、エルドラドの差し金だろう。
「そこを退け」
「No、お前は逃げられない」
すると俺を囲むようにプロトコル・オメガの連中が現れた。
「いくら、お前でも逃げられない」
「………」
確かに囲まれて、隙がないから逃げられない。
「諦めて、大人しく投降しろ」
「…お前はあの計画を知っているか」
「…サッカーを消す計画か?」
アルファの言葉に俺は頷いた。
「アルファ、良いのか?歴史を変えてしまったらお前や俺達の存在は消えてしまうんだぞ」
「何かを手にいれるには多少の犠牲は必要だ」
「それでもあの連中は間違っている」
「マスターの命令は絶対だ」
やっぱり、こいつらに話しても解決出来なかった。
俺が奴らに嫌気をさした原因の一つはサッカーの消去する話を聞いたからだ。
「俺はもうアイツの命令何か聞けない」
「だが、お前を拘束する」
するとアルファはスフィアデバイスを取り出した。
まずい!と直ぐ様、察した俺は逃げようとするが囲まれていて逃げ場がない。
こいつらに捕まったら、俺は俺じゃなくなるかも知れない。
覚悟を決めようと思った瞬間、頭に過ったのは何故か笑顔を浮かべたフェイだった。
(…結局、別れ言えなかったな)
言えなかった事に後悔していた。
(フェイ、フェイ。お前にもう一度、逢いたかったなぁ…)
スフィアデバイスが光り、意識が遠退いていく。
フェイと出逢ったお陰で俺は変われそうになった。でも、それも無理そうだ。
だから、せめて…。
(…ありがとう、フェイ)
意識が途切れる寸前に俺は最後に笑みを浮かべて、目を閉じた。
さようなら、キミへ
(もう、俺は俺じゃなくなる)