トワイライト

□08
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※フェイ視点


あの日、時雨さんは突然、居なくなってしまった。
いつか戻って来ると思ってずっと待っていた。ずっと、ずっと。
けど、時雨さんは戻って来なかった。


「…時雨さん」


僕は再び、彼と出逢った場所に来た。でもやっぱり、彼はいなかった。
…分かっているハズなのに。


「時雨さん、僕これから過去へ行くんだ。歴史を変えさせようとする奴等を止めなきゃいけないんだ」


奴等はサッカーを歴史から消去しようとしている。ほっとくと大変な事になる。


「僕が守る。サッカーは絶対に消去させない」


僕と彼を繋いでくれたのはサッカーだった。
口ではサッカーなんか興味ないとか言ってたけど、本当はサッカーが好きだって僕には分かる。


「フェイ、そろそろ行くぞ!」

「…うん。分かったよ」


今は感傷に浸る暇はない。
歴史を変えようとする中、サッカーを忘れない心を持つ少年が頑張っているんだ。


「僕も頑張るよ」


涙が溢れそうになる目を擦りながら、その場を立ち去った。


『    』


風に吹かれて、時雨さんの声が聞こえる気がした。





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