青春謳歌

□優しい温もり
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私たちは円堂君のお祖父さんが残した“裏ノート"を求めて、お祖父さんの故郷である福岡の母校の陽花戸中へ訪れた。
初めて来た土地なのに何故か違和感を感じた。


「なんや、瑞希。どないした?」

「ううん。ちょっと気分が…」

「大丈夫か?」

「大丈夫。車酔いかもしれないから少し落ち着けば平気よ」


つい最近仲間になったリカちゃんや塔子ちゃんも心配してくれるけど、気分は次第に悪くなる。

(風邪でも引いたのかな?)

身体に違和感を抱きながら陽花戸中へと訪れた。
そこに陽花戸イレブンがいた。その中、一人の少年が円堂君へ歩いて向かっていたけど…カチカチで手足同士で歩いていた。


「スゴい緊張しとるなぁ」

「う、うん…」


苦笑を浮かべながら呟いた。


「は、初めまして!俺、立向居勇気です!俺、円堂さんに憧れていてGKになったんです!!」


あれ、立向居…勇気?
何処かで聞いた名前何だけど思い出せない。
すると、立向居君と私の目線があったと突然に私の方へ向かって来た。


「瑞希姉ちゃん!!」

「えっ?!」


立向居君は目をキラキラさせて私を見つめている。


「え、何で私の名前…」

「俺だよ!勇気!覚えてない?昔、よく俺と遊んでくれた」

「ゆ、ゆうき?」


見覚えもない記憶に頭が混乱して気持ち悪くなりそうになった。


「あの事件の後、別れも言わないで引っ越したから心配したんだよ」


立向居君の言葉を聞いた途端、全身がガクガク震え、さらに気持ち悪くなって吐きそうになった。
思わず、地面に倒れこんだ。
視界がぼやけて意識も朦朧となっていてみんなの声が余り聞こえなかった。

(…呼吸が苦しくって息が出来ない!)

そう思った瞬間、私は意識を手放した。




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