青春謳歌

□ひとときの再会
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沖縄から一度、稲妻町へ戻って来た。円堂君の提案で皆、実家へ帰る事になり、各地方から来た人は円堂君の実家へ泊まるらしい。その時、携帯の着信音が流れた。まさかと思い、携帯を開いた。


「もしもし?」

『久しぶり、瑞希』

「あっ、雪兄さん!」


久しぶりの雪兄さんの声を聞いて安堵しながら、私は皆と少し距離を置いて喋った。


『話はフェレス卿から聞いたよ。まさか、あんな騒動に巻き込まれていたなんて…』

「ごめんなさい。お父さんは元気なの?」


すると突然、雪兄さんが深い、ため息を漏らした。


『…聞きたい?』

「やっぱり、いいや」


雪兄さんの言葉に何となく、予測がつく。電話しなかった私も悪いけど、お父さんも電話すればいいのに…。


『まったく、兄さんには参ったよ。とにかく、一度だけ帰って来てよ。兄さんも心配しているからさ』

「分かった。もうすぐ帰ってくるから待っててね」


それじゃあと言い残し、電話を切った。
久しぶりにお父さん達に会えると考えるだけにやけてしまう。家に帰ってきたら、お父さんの料理食べたいなぁ。
そう思った途端、空から黒と青のサッカーボールが落ちた。ボールは地面にめり込んでいた。


(ああ、ごめん。雪兄さん!すぐに帰られそうになくなったよ)


その場にいない雪兄さんに詫びながら呆然とボールを見つめた。



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