嵐の如く

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突然だが別に俺は兄貴が嫌いではない。むしろ、昔(前世のとき)の俺のバカ兄貴と比べると今の兄貴がまだマシだ。

兄貴はサッカーが上手い。俺も兄貴とやるが兄貴の方が上だった。(でも喧嘩では俺の方が強いけどな!)
しかも兄貴の作った料理は美味い。まあ、自慢の兄貴だと誇れるぐらいの存在だった。


だがたまにそれが嫌だった。兄貴がイナズマジャパンメンバーだからなのか、周りの奴らが俺と兄貴を見比べているときがある。
兄貴がサッカー上手いイコール俺も上手いと思っているのか、たまにサッカーしようと誘われてやるが何人かはため息ついた。


『お前ってさ。力強くって速いのは凄いけど…やっぱり、お前の兄ちゃんが一番だよ』


だから俺と兄貴を見比べるなよ!と思いながら、二度と文句を言わせないように俺が脅したのは言うまでもない。
そうしているといつの間にか苗字を名乗らなくなったし、兄貴がいるとも自分からあまり言わなくなった。


そのうち、皆はあの兄貴の弟として見ずに弥生としてみてくれるようになった。
中学に上がると俺の運動神経の高さを知って運動部にスカウトされた。
けど、運動部に入るつもりもないから助っ人として参加している。



ただ、唯一運動部で絶対に入部しないと思った部活はサッカー部だったかもしれない。



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