08/25の日記

00:41
足 跡
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『 足 跡 』


ある晩 男は夢を見た。
夢の中で 主と二人で浜辺を歩いていた。

空を横切ってきらめきながら 
彼の人生が 何場面も映し出された。
そのひとつひとつには 
砂の上に刻まれた二つの足跡が残されていた。
一つは彼の もう一つは主の足跡であった。


人生の最後の場面が 目の前できらめき映された時、
彼は砂の上の足跡を 振り返って見た。

そして気が付いた。
自分の人生の歩みには、ほとんどの時、一つの足跡しかない事に。
そして更に気が付いた。
一つしか足跡がないその時こそ、まさに人生で、とても辛く苦しい時だったと。


彼の心は ひどく乱れてしまった。
そして、そのことを主に問いかけた。

「主よ、あなたは、
私があなたに従うと決心した時に、
どんな道でも、いつも私と共に歩んで下さると
おっしゃって下さいました。

なのに、私が人生で困り果てていた時に、
足跡がたった一つしか無いではありませんか…。

私には解りません。
何故あなたは、
あなたを一番必要としていた時に、
私を一人置き去りにされたのですか。」


主は答えられた。
『わたしの 大切な、大切な、子よ。
わたしは、いつもあなたを愛しています。
ましてや あなたを、決して一人にはしません。

あなたが辛く苦しい時に
足跡がたった一つしかないのは、

その時、わたしが あなたを背負って歩いていたからだよ。』




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