大事をなそうとして
力を与えて欲しいと神に求めたのに
慎み深く従順であるようにと
弱さを授かった
より偉大なことができるようにと
健康を求めたのに
より良きことができるようにと
病弱を与えられた
幸せになろうとして
富を求めたのに
賢明であるようにと
貧困を授かった
世の人々の賞賛を得ようとして
権力を求めたのに
神の前にひざまずくようにと
弱さを授かった
人生を享楽しようと
あらゆるものを求めたのに
あらゆることを喜べるようにと
命を授かった
求めたものは何一つとして与えられなかったが
願いはすべてかなえられた
神の意にそわぬものであるにもかかわらず
心の中の言い表せない祈りは
すべてかなえられた
私はあらゆる人の中で最も豊かに祝福されたのだ
(原題は、『苦難にある者たちの告白』です。
作者不詳の、
ニューヨーク・リハビリテーション研究所の壁にかかれた一患者の詩 です。)