四季のへぼ小説 壱

□邂逅/ダテサナ
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「……きゅう?」
「暑苦しいし、うるさいしでちょっとウゼぇとか思ったが…こうやって間近で見るとけっこう上玉だな」
「じょ、上玉ァ!?」
政宗は刀を鞘におさめると、あまりの事態に硬直している幸村の両の手から二槍を奪い、背後に投げる。
「何をする……って、わぁぁぁっ!!」
「戦にでてる割には肌も綺麗だし、槍の腕もいい…」
「近い!近いでござるーッ!」
いつの間にか息が触れ合うほどの至近距離にいた政宗に、危機を感じた幸村は後ずさろうとするが、すぐに肩をつかまれた。
「いますぐ某を放して離れ「お前、俺のwifeにならねぇか?」

「……わいふ?」
「わかりやすく言えば嫁さんだ。」


〈しばらくお待ち下さい〉


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!!佐助ーっ!お館様ーっ!変態がおりまするぅぅぅっ!!」
「Ah!?変態とは心外だな!」
男にプロポーズする時点で既に普通じゃない。
「俺は真剣に言ってんだぜ?それをいきなり変態はねぇだろうが。」
「某は男でござる!」
「見りゃ分かるし、」
ぺたん、と幸村の胸に政宗は手のひらをおしあてる。
「お前くらいの歳で、ここまでの貧乳がいたら見てみたいもんだぜ」
「はっ…」
「?」
「破廉恥でござるーっ!!!」
幸村は腕を振り回し、政宗から離れようとする。
――だが、目の前にいるのは独眼竜。
ついでに人生そんなに甘くない。
「残念」
「!!」
政宗は、幸村の振り回された腕を掴み、そのままひっぱり、自分の腕の中に収めた。
「やっぱ、こうやっておとなしくしてる方がcuteだなvV」
嬉しそうに、政宗が混乱している幸村を拉致しようとした、
――その瞬間
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