四季のへぼ小説 壱

□邂逅/ダテサナ
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「あんた、うちのダンナに何してんの」背後からの声と、同時に首に感じる冷たさに政宗は動きを止める。
「武田の忍か…。――チッ、もう少しだったのによ」
「さ、佐助ぇっ!!」
正気に戻った幸村は、無理矢理政宗の腕から逃げだすと、政宗に苦無(クナイ)をつきつけていた忍―猿飛佐助の背後に隠れる。
「まったく…大将に怒られるよ」
「うぅっ……さすけぇ……っ」
佐助の腰にしがみついているさまは、まるで子供のようだが、そこは気にしないとして。
「さて、どうすんの?竜のダンナ。もうすぐ大将も来ると思うんだけどさ。」
「Time limitってやつだな…」
政宗はつまらなさそうにつぶやき、馬に乗った。
「まあいい。また今度迎えに来るからな、My honey」
「来なくていいよ、この奥州変態筆頭」
「テメェに言ってねぇよ。ウザ迷彩忍」
一瞬、二人の間に火花が散る。
「しょうがねぇな。俺の軍は一旦退くぜ。それでいいだろ?」
「どうでもいいから早くどっか行ってくれる?ダンナが怯えてるんだけど」
「HAN!うるせぇ忍だな。――まあいいさ」
幸村はそろそろと頭を佐助のかげからだして政宗を見ている。
「My sweet honey幸村。俺の名前は伊達政宗だ。今度くる時には、お前を奥州のfirst ladyにしてやるからな!」
そう言って、政宗はやけに高いテンションで本陣へと駆けていった。
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