素敵ないただきもの

□オトコエシ(☆)
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花言葉:野生味









一番望むことは

いつまでも貴方が幸せそうに笑っていてくれること

強いことだけを望み
決して折れぬようにと固めた心は

その微笑みを奪ってしまった


その微笑みが無くてもあっても

一番願うことは

いつまでもその隣に

己の姿がありますように









■オトコエシ■









酷い雨だ、そう思って不意に天井を見上げた。

雨漏りしないだろうかと天井の隅々まで眺めていると、不意に濡れた衣を細い手が握り締めた。

その細い手は元々白いくせに

冷えたためか、更に真っ白に変化していた。

微かに震える手に

己の手をそっと重ねると見下ろした。

「どうした、元就」

自分の手はこんなに熱い。

彼との手の温度差に、胸の奥がちくちくと音を立てる。

「…寒い」

「そうか…大丈夫か?」

幾らまだ温度はそれほど低くないとはいえ、これだけ全身ずぶ濡れになってしまうと意味も無い。

濡れ肌に張り付いた着衣が体温を確実に奪っていく。

細身の体の元就では体温の消耗も激しいのであろう。

鍛え抜かれた体を持つ元親とは全く違う体の作り。

薄い唇の端が寒さからか、僅かに青くなっているのが目についた。

寒いために頼り無さ気に伏せがちにされている長い睫毛に小刻みに震える。





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