四季のへぼ小説 壱

□とある日の/オヤユキ
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その日の朝も

いつも通りの殴り合いから始まる

…………筈でしたが。



『とある日の』



神無月九日、早朝。

いつもの通り俺は真田の旦那を起こす為に大将の私室に向かって歩いていた。

そんな時に鼓膜を破らんばかりの叫びが聞こえてくるのも日常であり


『ぉやかたさむぁぁぁぁっ!!!!!』

『ゆきむるぁぁぁあ!!!』


……その殺人的な叫びの合間に響く鈍い音は、間違いなく殴り合っている音。

「勘弁してよ………」

怪我の治療をするという面倒をこなすのは嫌だと言っているのに、彼らは毎日止めようとしない。


――そのうち頭でも打って死んだらどうするんだろうねぇ――

そんな事を考えていた矢先に、目の前を薄桃色の固まりが飛んでいって……

「あら、だん――……なぁぁぁぁっ!!!!??」
「ゆ、幸村ぁぁぁ!!!!」

そのまま屋敷の塀にぶち当たって地面に崩れおちた。


…無論、頭をしたたかに打ち付けて…
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