四季のへぼ小説 壱
□結局はいつも
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「なぁ、コッチ向けよ」
「嫌でござる」
「…………まだ怒ってんのか?」
「別に怒ってなど居りませぬ」
少しばかり怒りを込めた声色で言い切るアイツは
(…素直じゃねぇ奴だな…まったく)
何を思い出したのか耳まで真っ赤になりながら団子をほおばっていた。
『結局はいつも』
その日は俺が久しぶりに城を抜け出せた。
…だから、そう…
久しぶりの逢瀬…いや密会……いや、別に隠れてないか。
そんな脳内国語辞典は放っておくとして、My sweet honeyこと真田幸村に会いに来た俺は縁側で団子をほおばる奴(と迷彩忍)を見つけた。
……其れが半刻前の事。