四季のへぼ小説 壱
□Honey and Lover(☆)
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仲の良い猫はよくじゃれる。
素直な仔猫はなつき易い。
…問題になるのは勿論、相手。
『Honey and Lover』
「政宗殿は本当に其処が好きなのでございまするなぁ」
少し暑くなってきた初夏、御町内筆頭ショタコン変態猫こと政宗は、ここのところ毎日のように縁側の隅で眠っていた。
―…勿論、幸村の飼い主である信玄の家の縁側だ。
「此処はほどよく涼しくて昼寝にはもってこいなんだよ」
「確かに、幸村も其処は好きでござる」
そう言いながら尾をゆらゆらと振る幸村は、"今日のおやつをとってきまする!"と言って家の中に入って行った。
「………HA、俺も優しくなったもんだな…」
ぐ、と背伸びをすると政宗は空を見上げました。
太陽は真上をちょっと過ぎたくらいで、今からだんだん暑くなっていく時間帯です。
(そういや今日はアイツ見てねぇな…)
ほぼ毎日のように姿を現しては政宗を幸村から引き離そうとする赤猫の佐助が今日は見えません。
居ないに越したことはない、と佐助は内心にまにましながら(当然ながら、顔にはだしません)幸村を待っていました。
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