四季のへぼ小説 壱

□Kitty,Kitty …(☆)
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大好き大好き愛してる。

そんな気持ちは分からないあの仔に


今日も僕らは恋をする。




『Kitty,Kitty,Beloved Kitty』


春、ちらちらと桜が綺麗な時期に幸村はやっぱり縁側で昼寝をしていました。
ゆっくりと膨らんだり萎んだりを繰り返すお腹を上に向けて……ぐっすり。

そんな幸村のいる武田家の庭に降り立った一匹の猫がいました。
それは勿論あの変態猫政宗……と言いたかったのですが、如何せん毛皮の色が違います。

「ありゃりゃ旦那は今日もお昼寝日和ですか?」

夕焼け色の体を軽やかに動かしながら現れた猫―…佐助が縁側に乗りました。
ゆらゆらと長い尾を揺らしながら、佐助は眠る幸村の側に寝転がります。

(竜の旦那は確かこじゅさんに無理矢理連れてかれてたな……何処かは知らないけど)

くぁ、と欠伸をしながら朝見た光景を思い出す佐助は、うとうとと睡魔に襲われ始めています。

しかし穏やかな陽射しの当たる庭に面した縁側の上とは言え、隣に居るのは愛しい子猫。
いくら佐助と言えどもなかなか辛い話でありまして。

「…にゃぅん……」
「ぁ…ヤバい今回生殺しだ……」

眠っている幸村の柔らかそうな腹がゆっくりと視界の端でふかふか。
佐助の内心はむらむら。





佐助がムクリと起き上がり、生唾を飲んだのは…その数分後でした。


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