四季のへぼ小説 壱
□お題もの(暗め)
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貴方への道を切り開く
それが、どれだけ間違った事であっても
どれほどのモノを失っても
私の目に映るのは貴方一人
『修羅と龍に乱舞を』
†狂った私
「何処を…見ておられるのですか、政宗殿」
その腕に己の腕を絡め、まるですがりつくように素肌を寄せた。
「Moon…月をちょっとな」
「幸村がおりますのに、政宗殿はそちらの方が宜しいのですね」
少し拗ねたように言うと、彼はその端正な顔に苦笑の色を浮かべ、私の方を向く。
「お前が寝てた間だけだ…それでも不満があるか?」
「ありまする」
彼の指が顎を撫でてくる。
優しく、そして艶やかな仕草で。
あぁ…私は貴方を愛しています。
「幸村」
「……はい、政宗殿」
鮮やかな色を持ったあの時は
今ではもう、過去。