四季のへぼ小説 壱

□邂逅/ダテサナ
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(あいつか……?)
ある場所に到着した政宗は、馬から降りたが、しばらく何も言わずに見入った。


鮮やかな紅に。


その青年は、軽々と二本の槍を使って、兵士達を斬っていた。
その光景に、本来なら政宗は怒りを覚えるはずだ。
……だが、政宗は何も言わず、動きもしない。
ただ、美しく燃え上がる炎に見入っていた。
そして、辺りから伊達軍の兵士が消えた。
否、死体はごろごろと転がっているが。


「噂どうり…いや、それ以上のもんだな」
ニヤリと口の端をあげるようにして笑い、腰の刀を一本抜いた。
青年は、政宗に気づいていない。
「今回は退屈せずに済みそうだ!!」
走り出し、一気に跳躍して真上から刀を振り下ろす。
「―――ッ!!?」
ガギン!と音が響き、政宗が地におりる。
「oh…なかなかやるじゃねぇかよ」
「貴様、何者だ!突然、それも上から斬りかかってきて!」
二槍を握り締め、政宗にむかって怒鳴った赤い防具の青年―真田幸村に、政宗は意外そうな顔をしている。
「なんだ…紅蓮の鬼ってのはこんなガキか。……つまんねぇな…。」
「なッ!誰がガキだと!!某を侮辱する気か!」
「そういう反応も、どう見たってchildだぜ?」
溜め息をついた政宗の前で、幸村は首を傾げている。
「ちゃ………?……(はっ!)それはそうと!名くらい名乗らぬか!!」
「そっちからしろや」
「(ムカ)某は真田源二郎幸村でござる!」
「そのくらい知ってる。」
「(ムカムカ)ならば…貴様は某に何を言えと言っている!」
だんだん腹がたってきた幸村が、政宗を睨んだ。
「返答次第では、問答無用で斬「あんた、cuteな顔してんな」

いきなり言われた一言に、幸村は硬直するハメになった。
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