四季のへぼ小説 壱

□晴れのち集中豪雨(☆)
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「佐助ー、茶菓子はちゃんと準備してあるかー?」
「してあります!……まったく、旦那と一緒にしないでよね」

あぁ…もう嫌だ。
朝からこうも明るい声を聞かされては最悪だった気分が更に奈落へと落とされていってしまう。

「何を言う!今日は月に一度、政宗殿が同盟の際の約束に従って甲斐に来る日なのだぞ!」
「はいはい…」

またこのセリフか、と眉を寄せながらため息をついてしまう。
朝起きてから何度目だ?
旦那がこうやって竜の旦那を待ちわびるような言葉を口にするのは。

内心、かなり気にくわないのが本音。
同盟の規定にあった訪問だなんて言うのはあの男のただの言い訳であって、けして其れの為にわざわざ甲斐にまで来る筈はないのだ。

……何故か?

実際のところその規定には、[伊達政宗本人が甲斐に来い]と言うことを意味する文はない。
面倒だったら腹心の部下であるあの片倉小十郎にでも頼めばいいのである。

それでもあの男が甲斐に来ようとしている理由、それは只一つ



「Hey幸村!元気にしてたか!!」
「政宗殿、長旅ご苦労様でござりまする!」



―俺の可愛い可愛い旦那、只一人に会う為―
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