翠の桜

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またもやってきたお父様
今日はお兄様は一緒ではない為、幾分気が楽と言えば楽かもしれない

お父様は腰を落ち着けるなり話し出す


「実は、貴女の結婚のことなのだけどね」

「はい」

「これ以上ないほどいい相手が申し出てきてくれてね」

「?はぁ・・・」

「私の所だけでなく貴女の兄の所にまで出向いて説得してくれたのだよ」


それを聞いて首をかしげた

そんなに熱心な相手がいただろうか?

思いつかず、尋ねる


「まぁ、でも何方が?」

「おや、分らないかい?」


尋ねたはずが逆に驚いたように問い返された

え、知ってなきゃいけないの?
ていうか分るものなの?

少し戸惑いながらも分らないと答えるとお父様がありえない人物の名を口にした




「“在原業平”殿だよ

彼との縁談を進めていこうと思っている
依存はないな?」




・・・え?
どういうことですか?

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