短編

□選んだ道
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戦孤児であった私
村から焼きだされ、絶望していた所を救ってくださったのは一人の小さなお姫様だった

名前は茶々様

彼女の頼みで彼女の家に引き取られた私は、彼女の父君の命で女忍として育てられた
茶々様は大変お優しい方で、身分が違う私にも大層良くしてくださり、彼女の妹たちともすぐに仲良くなった

数年後、父君や兄君が叔父君に攻め込まれて亡くなられたり、その叔父君までもが家臣に攻め込まれて亡くなられたりなど
怒涛の日々が続いたがそれでも彼女は強く気高く、美しく、優しい、私の憧れで私は何時までも茶々様のお側で彼女をお守りしようと考えていた

でも、それは叶わない願い

彼女の末の妹である江様が再嫁なさると決まった日のことだった
私は茶々様の部屋に呼ばれ、そこで頼まれた


「江を頼みます」




私にとって茶々様の願いとは尤も優先させるもの

もちろん私の意思よりも遥かに大事なもので…

だからこそ、私はこの彼女の頼みを断ることが出来ず、江様について秀忠殿のもとへ渡った




それ以来、茶々様との面会は許されず、二十年近くの時が流れた
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