短編

□花の棘
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※if設定・主人公がいろいろな人と恋を楽しむ腹黒い性格だったら





とびきりの薄様に最高の香を焚きしめ、何刻もかかって考えた和歌を書き付ける
それを季節の花に結びつけ、特別に造らせた文箱に入れた

普通の女性…いや、ほとんどの女性の場合はここまですればだいたい手に入れられる

だが彼女の場合、これでは駄目だ…

彼女に言い寄る男は数知れず
噂では父である源氏の君を始め、叔父上や帝までが彼女を欲しているらしい
そんな彼女を手に入れるのは至難の業だ

彼女の気を引くにはこんなものでは足りない


「どうすれば貴女は私のものになってくださるのでしょう・・・」


呟いた疑問に答えてくれる人などいるはずもなく、むなしく消えた自分の言葉にため息をついた
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