翠の桜

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久しぶりに一つ上のお姉さまが御宿下がりをして屋敷に戻ってこられた


「お姉さま!お戻りなさいませ」

「ただいま、久しぶりね」


もともとさっぱりとした気質のお姉さまと私は兄弟の中でも特に仲がいい

お姉さまが入内してからはあまりお会いすることもなくなったが、それでも宿下がりの際はどちらかの部屋でおしゃべりをして過ごすのが当たり前になっている

今回も当たり前のように部屋でお話をしている時だった


「そういえば、まだ直接は言ってなかったわ
結婚おめでとう」

「え、あ…ありがとうございます」

「やっと結婚したんだものね
それも筒井づつの君と・・・
どう?楽しい?」

「楽しい…ん〜・・・どうなんでしょう?」


苦笑交じりに答えを返すとお姉さまが首をかしげる


「あら、何か不満があるの?」

「不満と言いますか…なんだか扱いが変わってしまってどうしていいか分からないといいますか…」

「ふーん?」

「あ、でもこの間それは解決したのでいいんですけど」

「解決?何だかよく理解できないわ
ちゃんと説明してくれる?」

「はい…えっと・・・」


お姉さまに促され、順を追って話し始めた

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