憂鬱少女ときれいな谷
□7話
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トゥーティッキをさえぎるようにムーミンパパが間に入った。
「ところで、このカメラはどうすれば?」
誇らしげに胸を張った男は、その態度を崩さずムーミンパパに向き直った。
「もう使わないし、好きに使ってもらおうと思ったんだ。」
「本当?パパ、僕がもらってもいい?」
「もちろんいいさ、ムーミン。」
急に舞い込んだプレゼントに大喜びするムーミンを横目に、
「じゃあ、君も頑張ってね。」
と、男はバイオレッタの肩を軽くたたいて出て行った。
トゥーティッキもバイオレッタの心配をしながらも帰っていった。
スナフキンは、バイオレッタの顔に張り付いた笑顔を、何も言わずに見つめていた。
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