憂鬱少女ときれいな谷
□3話
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足元の小石を蹴飛ばした。
チャポンと小気味のいい音を立てて小さな水柱が立ち上がる。
この谷はいつも鮮やかだった。
小さい花も草木も思い切り腕を伸ばしているようにも見える。
顔を上げると、目を閉じていても抜けるような青空がまぶたに映りこむようでもあった。
そんな生命の色に押しつぶされそうになった私は大きく息を吸った。
朝ごはんだろうか、すこし遠くに見えるムーミン屋敷の煙突から、煙がゆったりと上がっている。
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