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□温もり
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クットロラン×ジーカウェン
永久を願って、自ら叶わぬ地に行って。
この体が血を吹き出す程、ぶつかれる壁があればいい。
「クットロラン」
「ナンデゴザイマショウ?ジーカウェン様」
何の気なしに名前を呼べば、お前はいつも同じ返事を返してくれる。
しかしそれは、所詮プログラミングされた行為の一つに過ぎないのだろう。
「…クットロラン」
「ナンデゴザイマショウ?ジーカウェン様」
抱き締めた金属は冷たく、人間的な柔らかさは感じられない。
いい加減力加減も覚えたのか、奴もやんわりと抱き締め返してくる。
「…いい。もっと強くしても」
「良いのデスカ?」
「構わん」
ギシ。と音をたてて、腕に力を込めてくる。
それでも冷たさは変わらなくて、だからもっと力を入れて、
炎にでもなるくらいに
(お前の温もりを知る術を、俺はまだ知らない)