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□可愛い人
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深夜、やけに肌寒い風に目を覚ます。

見ればかかっていた筈の毛布が見あたらず、ふと自分の横に目をやり、ああそうかと一人納得する。

「…ジーカウェン」

毛布は隣ですーすーと寝息をたてる恋人の腕に抱え込まれ、当の本人は気付かずに幸せそうに眠っている。

このまま寝るのは寒すぎるが、かといってもう一枚持ってくるのも眠気が飛びそうで億劫だ。

「よっ…と」

起こさないよう気をつけながら、そっと毛布を引っ張り出す。

するとその拍子に、反対側を向いていたジーカウェンがこちら側に寝返った。

「ん…」

ぼんやりと目を開き、眠そうな声を上げる。

起こしたか、と改めて毛布をかけ直してやると、普段に比べると珍しく、彼の方から胸に頭をこすりつけてきた。


「〜…ダン…」
「ん?」


夢と現実の境にいるような、そんな声で名前を呼ぶと、彼はおもむろに手を伸ばし抱きついてきた。


「んぅ………大好き…」
「〜っっ!!」


たった一言でもとてつもない爆弾を投下してくれた彼はそのまま再び眠りにつき、たまらずそのまま抱き締めた。



(全く、なんて可愛いんだお前は!)

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