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□護る人
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『戦闘の時は私の後ろへ。命に代えてもマリティ様をお守りします』


そう言って、彼は笑うから。




「マリティ様!」


戦闘が終わるや否や、バトラーの彼が此方へ駆けてきた。


「マリティ様、困ります!いつもの事ながら、常に私より前で戦って……」
「あら、別に良いじゃない」
「しかし、それでは私の仕事の意味が」
「上に立つ者は下の者を護るのよ」


本来ならば、守りを得意とするバトラーは前衛に出るべきなのだろう。

が、元より防御率も高く前衛的なマリティはいつも彼らより敵に近く戦っていた。


「貴女をお守りする事こそが私の役目。くれぐれも無茶はお止め下さい」
「分かっているわよ。私が危なくなったらちゃんと助けてくれるんでしょ?」
「で、ですから!戦闘になったら私の後ろへ」
「はいはい」


若きバトラー。訓練を受け重層な鎧を身に付けども、慌てる表情にはまだ幼さが残っていた。
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