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□耳が生えたようです
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朝、いつも通りの時間に起きて。
いつも通りの時間に顔を洗って、いつも通りの時間で朝食を作って、いつも通りの時間に恋人を起こした。
だが今日は、どうやらいつも通りには進まないようだ。
「……ダン。取れんぞ、これ」
「何故私を睨む。言っておくが、私がやったのではないぞ」
ジーカウェンの角の、ちょうど下に生えている緑の耳。
先程から引っ張ったりしているが、既に体の一部となっているようだ。
「まあ、生活に支障は無いだろう。しばらくすれば無くなるんじゃないか?」
「……不愉快だ。それに、位置が中途半端だろう」
確かに、何故角の下という微妙な位置に生えたのだろう。
角と耳。という組み合わせはどこかで見た気がするが、それが何かは思い出せなかった。
「とりあえず、飯を食え。それからまた考えよう」
「……ああ」