小説

□ファンタジーを書いてみました。
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こちらの作品は拍手で連載していた『座敷わらしと天狗さま』のかなり大雑把な設定をそのまま使っている番外編になります。
適当設定だよ!(←適当でアバウトな設定)

↓↓大丈夫な方はどうぞ。↓↓





並盛山に住んでいる天狗と座敷わらしの兄弟は、並盛の守り神です。
座敷わらしの雲雀弟は、並盛中学校に憑いていて、並盛の秩序を保っています。
天狗の雲雀兄は、白面金毛九尾をお祭りしている並盛神社で、神様に奉納する舞を踊っています。

これは、そんな平和な並盛の、とある日常の小さな物語です。



「やぁ、赤ん坊。久しぶりだね」
並盛に住む黒ずくめの赤ん坊、リボーンが道を歩いていると、そう呼び止める声がします。
リボーンが顔をあげると、大きな木の枝に天狗の雲雀兄が座っていました。

「チャオ!会いたかったぞ、ヒバリ」
「僕もだ、赤ん坊」
雲雀は木から飛び降りると、リボーンをひょいと抱き上げました。

「ねぇ、今から暇?」
「夜はパーティだから、夕方までは暇だぞ」

今日は10月13日。リボーンの誕生日です。
リボーンが家庭教師をしている家の中学生の誕生日が14日なので、二人で合同パーティを開くことになっていました。
赤ん坊なのに家庭教師をしているのはちょっと変ですが、この話はファンタジーなので、気にすることはありません。

「じゃあ少し僕に付き合ってよ」
「良いけど今日は戦いはなしだぞ」
リボーンは赤ん坊のくせにとても強いので、いつも雲雀は手合わせするのを楽しみにしているのです。
「わかってるよ、今日は戦わない。ちょっと行きたいところがあるんだ」

雲雀はそういうと、リボーンを抱いたまま綺麗な葡萄色の翼をバサリと広げました。
紺色の着流しの着物を着たまま、どうして背中に翼が生えるのかわかりませんが、とにかく雲雀はそのまま飛び立ちました。



雲雀が空を飛んで向かったのは、とある小さな泉でした。
よく見ると、泉からはホコホコ湯気がたっています。どうやら温泉のようです。
「ここはちょっと来るのが難しい、秘密の場所なんだけど。今日は特別。」
「そうなのか。嬉しいぞ、ヒバリ。」
かなりの温泉好きのリボーンは、早速服を脱ぎだしました。
雲雀もぱさりと着物を脱ぎ捨てると、リボーンを抱いて一緒に温泉に入りました。
そのまま入るとリボーンが頭から沈んでしまいそうだったからです。

と、そのときです。
突然ぼわんっ!と音がして、もくもくと煙があがってリボーンの身体を包み込みました。

その煙が晴れたあとには―――なんと赤ん坊の姿は消え、ニヒルでダンディな大人のリボーンが現れたのです。
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