小説

□ファンタジーを書いてみました。
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「ああ、良かった。あのうわさ、本当だったんだ。」
雲雀は何故か驚くことも無く、蕩けるように微笑みました。
「この温泉は『願いの泉』といわれていてね。きみの呪いが解けますようにってお願いしてみたよ。(大人のほうがきっと咬み殺し甲斐があるだろうな!楽しみだよ・・・)」
「アルコバレーノの呪いが解けた!?信じられねえ・・・」
大人リボーンは、自分の顔や身体を触りながら呟きました。
確かに呪いは解けて、大人の姿になっています。



「ねぇ、・・・そろそろ僕の上から退いてほしいんだけど。」
はっと気がつくと、大人リボーンは雲雀を押し倒すような格好で温泉に浸かっていました。
さっき赤ん坊のときに、雲雀が抱いて入ってくれていたからです。
雲雀はそのせいで、頭から濡れねずみになっていました。

もちろん赤ん坊のリボーンには疚しい気持ちは全くなかったのですが、こうしてダンディな大人になって改めて雲雀を見ると、なんともいけない気持ちになってしまいました。
雲雀はもともとこの世のモノと思えないほど綺麗な顔をしています。その佳人さんが、頬をうっすら上気させて(温泉でぬくもったため)髪を濡らしたまま自分を見上げる姿は、大人リボーンの下半身を直撃したのです。

いつまで経ってもリボーンが動かないので、雲雀は困惑してしまいました。
力ずくで排除してもいいのですが、あいにくと雲雀はリボーンのこと(主に戦闘力)を気に入っているのでじっと我慢していたのです。
「ひょっとして、赤ん坊のままのほうがよかった?僕、余計なことしたのかな・・・」
「いやっ!!そんなことはねぇ!!呪いがとけて嬉しすぎて動けないだけなんだ!!」
若干事実とは違いますが、大人リボーンは大慌てで答えました。
本当は、ちょっとでも動くと、濁ったお湯で隠れている大変な下半身事情がバレてしまうからなのです。

このとき、一瞬ですが大人リボーンは
(バレるくらいなら赤ん坊のままのほうが良かった!!)と思ってしまったのです。

と、その瞬間
ぼわん!
と音がして、大人リボーンはかき消すように消えてしまいました。

「・・・・・・。」
煙が引いた後には、引きつった顔をした赤ん坊のリボーンがちょこんと雲雀の膝に乗っています。

「あれ・・・。呪い、解けたと思ったのに、一時的に中和しただけだったのかな・・・。なんか、むかつく。」
雲雀は悔しそうに顔をしかめています。
(今度は絶対呪いが完璧に解ける温泉をみつけてやる・・・)
自分に解けない謎があるのが許せない雲雀は、密かにリベンジを決意しました。

「ごめんね、赤ん坊。」
「いいや、ありがとうヒバリ。誕生日プレゼント、とっても嬉しかったゾ。」
「そう?喜んでもらえたなら、まぁ良かった。」

雲雀に抱きしめられながら、リボーンは
(あのときあんなこと考えなければ、ひょっとして大人のままでいられたのかっ!?)
とさめざめと心の中で泣いたということです。


Fin

2011/10/13

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リボ誕のファンタジーを書いていたはずなのに下品になりました・・・。ごめんなさい。
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