小説

□波乱万丈な綱吉くんの日々
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何でもない恭弥くんの一日のつづき




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朝、お腹にすごい衝撃を感じで「ぐえぇえ!?」というカエルが潰されるような声を上げてしまった。

「さっさと起きろ、ダメツナ。今日はお前にぐずぐずされたら出発が遅れちまう」
腹の上にダイブしてきたリボーンが、寝ぼけてぐるぐるしているオレの頭を銃の柄でガンガン殴ってくる。
「ちょ…!やめ…!!頭が割れるうううう」
あんまり衝撃的で、目なんかバッチリ覚めちゃったよ。


ため息をつきながら下に下りていったら、家の中がなにやら慌しい。
皆どたばたしながら荷物を抱えてうろうろしている。
「何これ…?母さん、オレの朝食は?」
「あらツっ君。今日は早いのね。ちょっと待ってて、すぐ用意するわ。」
母さんはいつもどおりほわほわしながら台所に引っ込んだ。
その間に洗面に行って顔を洗った。なんだかもやもやとしていた頭がちょっとすっきりした。


朝食はいつもの通り洋食だった。
最近よく出てくる焼き立てにしかみえないパンが美味しいんだよな〜。とても昨日買ったパンとは思えない。

ぱくぱく食べていると、母さんがにこにこしながらオレに爆弾発言をした。
「じゃあツっ君、昨日の夜言ったとおり、母さんたち2泊3日のモニター旅行に行って来るから、後はよろしくね。」
「はぁ!?」

オレはマンガみたいに飲みかけのジュースを噴出してしまった。

「ちょ……!!なんだよ旅行って!?しかも平日のど真ん中に2泊3日ってどーいうことだよ母さん!!」
「あらリボーンちゃんから説明聞いてるでしょ?ねぇリボーンちゃん」
「そうだぞ。昨日ちゃんと説明しただろ。俺とビアンキはらぶらぶカップル用の旅行、ママンたちは家族用の旅行のモニターにそれぞれ行ってくるって。平日だからお前だけ居残りだ。ママンは家光と現地で落ち会うんだよな」
「そうなのよー!もう、楽しみで楽しみで!昨日よく眠れなかったわぁ」
ぽっと頬を染めてきゃーと喜ぶ母さんは少女のようだ。

「そっそんなのオレ聞いてないぞ!」
「ちゃんと俺はお前に言ったぞ。ゲームに夢中で生返事しかしてなかったようだがな。」
ニヤリ、と家庭教師様に不敵な笑いを浮かべられて、オレは泣きそうになってしまった。
「ついでに言うとその間に水周りの工事をする手はずになってるから、キッチンとトイレと風呂は立ち入り禁止だゾ。」
「はぁあ!?ちょっ、じゃあオレその間どうすんだよっ!!オレのご飯は?トイレは?お風呂3日間入るなって?」
冗談じゃない、オレの人権まるで無視じゃないか!
「ちっ…まるで縦のものを横にもしねーダメオヤジみてーな亭主関白な台詞吐きやがって。自分でどうにかしろ。」
「あらぁ、大丈夫よツっ君。恭くんがちゃんとツっ君の面倒みてくれるって言ってたから、何も心配しなくていいわよー。あっ、朝食終わったら、お皿だけは流しに引いておいてね。後片付けもちゃんと手配してくれているそうだから。戸締りだけはしっかりね。立会いの方にはスペアキー渡しているから問題ないわ。」


………。
キョウクンってなんですか…?。



オレが呆然としている間に、ピンポーンと玄関のベルが鳴って、母さんたちはにぎやかに笑いさざめきながら出て行ってしまった。



今日は水曜日。2泊3日って言ってたから…オレ、金曜日までひとりっきり!?



ページジャンプ用目次
★ 2P〜 綱くん、雲雀さんにつかまる
★ 4P〜 山本、寿司を握る
★ 6P〜 二つのナベが吹っ飛んだ
★ 9P〜 綱くん、お風呂にはいる
★12P〜 おばけが出た!
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