book2
□唾液まみれの君
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傷から、目を逸らした。
君に伝えたいことがあって、心の中にあるそれを、それでもぶつけることができずに、こうやって記号化しては失敗して、もうかれこれ一億年がたった。
傷を傷と認識することすら、してはいけない気がして、涙を涙として抱くことすら、罪のようで、口から言葉がでない。君はそれを知らない。
大嫌いだ。
それでも君が好きだ。
唾液まみれの君
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