book2

□哀華
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こんなに言っても、君は、華を愛でるのね。

それでも華を愛でるのね。

きっと私がそれらの華を千切れば、君は、それがまた可哀そうだと愛でるのでしょうね。

ならば私は何なのでしょうね。

華を際立たせる花瓶でしょうか。
いえ、花瓶ですらないかもしれませんね。

それならばいっそ、華も君をも刺す剣山ぐらいに、なりたいものですね。




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