一途の流れ星

□はじまり
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毎年同じ月。ピンクの花を咲かせ、それはまた、見上げる青空を彩る。

コンクリートの地面に大量に落ち、桃色の絨毯となったそれを踏みしめ、あたしはまた今日も、白川高校の校門をくぐりぬけた。

あたしは浅野麻美。白川高校の二年生。新しい教室は二年B組。最近は、クラス替えと共に変わった新しいクラスメイトと一日でも早く仲良くなろうとしているところ。

――そういえば、あいつとはまたクラス別になったんだっけ……。

ふと、ある人のことを思い出しながら、教室の後ろのドアを開けた。

「おっ! おはよう、浅野」
「おは――って、なんでアンタがいるの!?」

一番に声を掛けてきたその人に、あたしがかけた言葉は驚愕のツッコミだった。だって、その人は隣のA組にいると思っていたから。

そいつは三島亮。小学校の時からの友達で、いわゆる幼馴染だ。昔はあたしより身長が低かったけど、成長期に一気に追い抜かれてしまって悔しい思いをしたのを、今でも覚えている。その頃から変わらないのは、くしゃくしゃなその黒い短髪くらいだろうか。

さっきも言ったけど、こいつは隣の二年A組の生徒だ。それなのに、知ってか知らずか、堂々と座っているのはあたしの席。そして亮の前には一人の男子が立っていて、どうやら今まで彼と話をしていたらしい。その話し相手の顔を見て、あたしは納得とうんざりを足して二で割った顔になった。
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