一途の流れ星
□守りたいもの
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浅野達と一緒に昼休みを過ごしたあの日から、一週間が過ぎた。中村には、あれ以来何も起きずにいるようだ。ということは、中村のことも、俺が関わったせいで起きたものなんだろう。
――くそっ。俺一人を標的にすればいいものを……。
わざと俺の弱点を突いてきているようにしか思えない。
最初の被害者――クラスメイトの新山の件があったのは、一ヶ月半近く前のこと。それ以来、少なくとも週に二度は同じような被害が出始めた。それが俺の身近な人にばかり起こることに気が付くまで、そう時間はかからなかった。
だけど、誰が何のためにそんなことをしているのか、未だに全くわからないでいた。そのことにどうしようもない苛立ちと無力感に襲われる。一人でいれば、口からこぼれるのは誰に向けているのかわからない悪態と溜息ばかり。学校にいても、家にいても、気分は重くなる一方だ。
――気分転換しないと、そろそろマジで辛いや。
そう思って、俺は外の空気を吸いに、部屋を出て玄関に向かった。