一途の流れ星
□企て
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「なんか手っ取り早く、亮の人気を取り戻す方法とかないものかなぁ」
「人気って……俺をアイドルか何かと勘違いしてね? そうそう簡単に修復できる関係なら、苦労しねぇっての」
放課後の生徒会室。部活が休みだったあたしは、生徒会の仕事で忙しいという亮に駆り出され、プリント整理などの雑務を手伝っていた。
ちなみに、今日は会議とかは無いらしく、残業のためにわざわざ教室を開けたらしい。
「あんたね、そう言うけど自分の立場わかってる? 横もそうだけど上も下も、全校生徒の過半数はあんたに友好的なんだからね?」
「そうなのか?」
「自覚なかったのかよ……」
思わず溜息がもれた。
もともとの人柄がいいのか、あるいは並外れたアピール能力があるのか、気がつけば亮は校内の有名人と呼ばれる部類の人間になっていた。その有名人枠には藤川先輩も含まれていて、男女問わず結構な人気者だったりもする。
その人気もあって次期生徒会長として応援する声もあったのに、あの事件のせいで、それはぷつりと途絶えてしまったのだ。あたしとしては、友人関係を戻すこともそうだけど、そのことも同じくらい気がかりになっていた。