一途の流れ星
□初めての関係
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次の日からの学校生活は、なんとも奇妙なものだった。
亮のことで騒動があった時のように、私物を狙っての嫌がらせはない。誰かから非難を受けることもない。
ただ、あたしは独りだった。
教室にいても、誰も話しかけはしない。唯一、授業中に先生から名前が呼ばれるだけ。誰もあたしのそばに近づこうとしない。あたしは、クラスの中から存在を消されていた。
そんな中、時々、あたしの様子を窺うような視線があることに気がついた。きっとその視線を送る人たちは、ネットで被害に遭わなかった人たちなんだと思う。
けど、視線を送るだけで、直接近付いて話をしようとは思わないみたい。たぶん、来栖が千里に言われたように、あたしに関わるなら絶交する、というようなやり取りでもあったんだろう。仮にそんなやり取りが無かったにしても、集団心理であたしに近付きにくいとか、そんなところなんだろうな。
それにしても、一体何の偶然なんだか……。
この状況は、あたしが最も苦手としているものだった。この空気は、消えたはずの嫌なものを思い出させる。それでもこの状況から逃げ出したいと思わないのは、きっと意地。
――ここで逃げたら、あたしが加害者であることを認めてしまう。
潔白の証明。そのために、あたしはこの空間に通い続けている気がした。
――構わない。一人ぼっちには慣れたもの。大丈夫。あたしは一人でも平気。
傍から見れば、ただの強がりだと思われるに違いない。けど、あたしは心からそう思っていた。その思いを胸に、独りの学校生活に耐えていた。