一途の流れ星
□閉じた殻
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生徒会長である亮の開会宣言から始まった球技大会。一日目に予選リーグ、二日目に決勝トーナメントが行われる予定だ。
あたし達二年B組女子バスケチームは、今日行われる試合の半分以上を白星で終えていて、事実上決勝トーナメント進出を決めていた。それなのに気分が晴れやかじゃないのは、その全ての試合で、あたしが独りよがりなプレーによって勝利を収めたから。練習を重ねてきた園香たちを無視し、次々と得点を決めていくのが面白くないのだろう。
でも、そんなことはどうでもいい。あたしはただ、そうして自分のうっ憤を少しでも晴らすことを優先したのだから。
そして始まった、この日最後の試合。相手は二年C組。知っている顔もいる。けど、その人はあたしと目が合った瞬間に冷たい視線を送ってきた。
――ああ。こいつもネットで何か言われたんだ。
まるで他人ごとのように思いながら、あたしは長身のその人物――大館花蓮を眺めていた。