一途の流れ星

□きずぐすり
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「まーちゃん、その足で学校行くの?」
「当たり前でしょ。これくらいの怪我で休んでなんかいられないじゃない」
「授業じゃないのに?」
「う・る・さ・い」

球技大会二日目の朝。右足はまだ痛んでいた。車で送るというお母さんの申し出をやんわりと断って、玄関で靴を履いていた時だった。

まだ登校時間までに余裕のある侑美は、あたしの隣に立ってわざとらしく聞いてきた。それを適当にあしらいながら壁を伝って立ち上がり、あたしは「いってきます」を言って玄関の戸を開けた。

「よーう」
「……はいっ!?」

次の瞬間、驚愕の声をあげるしかない光景が飛び込んできた。何故か家の前に亮がいたのだ。しかも、自転車に乗りながら。

「あれ? りょーくんだ。おはよー」
「侑美ちゃんじゃん! 久しぶり」
「朝からどうかしたの?」
「ん? ほら、浅野怪我してるから迎えに来た」

そしてあたしを放って会話を続ける二人。そのまま話を続けていたら、どちらからともなく余計なことまで言い出しそうな気がしてならない。

「ほら、侑美。話はまた今度ね。……行くよ、亮」

無理やり二人の会話に終止符を打ち、亮の手を引っ張って歩こうとした。けど、亮はあたしを引き留め、自転車に乗った。

「ほら、後ろ乗れよ」
「はぁ!?」
「歩くの大変だと思ったから、わざわざ自転車で来たんだろうが。ほら、早くしろよ」

当然の如く言う亮に、なんとも言えない文句を言いたくなる。
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