一途の流れ星
□無意識な意識
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「第二十七回白川祭、始まったぜぇー!」
生徒会長である亮の声がマイクを通して体育館中に響き渡ると、爆発音みたいな歓声が湧き上がった。そしてそれを合図にしたように、クラスメイト全員で体育館中を勢いに任せて走り回って、その勢いをまた起爆剤にさらに盛り上がりをみせた。
そんな雰囲気で始まった今年の白川祭。
去年、先輩たちのように盛り上がれるのか心配していたけど、取り越し苦労ってやつだったみたい。あたしもすっかり暴走する生徒の一員になって、前夜祭のテンションを上げていた。
そしてその日の熱は、一晩たってもなかなか冷めなかった。次の日は千里との約束もあって、朝早くからお母さんに頼んで浴衣を着せてもらった。おかげでテンションは高いまま、残り二日間、白川祭を楽しめそうだった。
……まぁ、そこまでは良かった。
「楽しかったね!」
「……あたしはもう嫌」
あたしは亮と来栖、それに千里、清也、菅くんと一緒に校内を巡っていた。そして来栖と千里の勢いに負け、一年生がやっているお化け屋敷に入ったのだ。……嫌がるあたしを無視して。