一途の流れ星

□曖昧な気持ち
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とまぁ、こうして勉強に手がつかなくなった千里と清也の提案により、高校生生活最後の夏休みはみんなで遊んで過ごすことになった。

そして今日は、白川高校の近くにある公園で夏祭りが開かれる日。またお母さんに着付けを頼んで、ついでに侑美も連れて、みんな一緒にその祭りに行くことにした。

「おー! 侑美ちゃんも来たんだ」
「あっ、りょーくん。こんばんは」
「え? 浅野の妹?」
「可愛いじゃん! 姉とは全然違うな」
「清也。それはどういう意味か、よぉく説明してもらえないかしら?」

待ち合わせの公園に着けば、すでにみんながいた。そして初めて会う侑美に、来栖たちはいつも以上にテンションを高くした。

いつものようなバカ話はそこそこにして、あたしたちは早速、夏祭り会場に足を踏み入れた。

いつも近所の子どもたちが遊びに来る広々としたこの公園は、今日は装飾された電球の灯りや賑わう通行人のせいで雰囲気ががらりと違っていた。定番のわたあめや金魚すくい、子ども向けの景品が並んだくじ引き屋なんかがたくさん並んでいて、その中にいるだけでなんだか楽しくなる。あたしたちはりんご飴を買ったり射的ゲームをやったりして、思う存分遊んでいた。
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