一途の流れ星
□変わらない隣
2ﾍﾟｰｼﾞ/5ﾍﾟｰｼﾞ
「いいよ。じゃあ、帰りにな」
それなのに、亮は何でもないというようにあっさりと承諾してしまい、来栖と少し話したあとで教室を出ていった。
――あ、あたしの勇気を返せ……！
拍子抜け、という言葉がぴったりすぎて、授業が始まるまでの短い間、あたしはへなへなと机の上で突っ伏していた。
***
亮と一緒に帰宅するのは初めてじゃない。だけど、誘ったのがあたしだったからか、初めは少しだけ緊張していた。
だけど、一緒に歩き出してしまえば自然と話題も出てきて、あっという間に時間は過ぎていった。そして家の近くで別れる時は寂しくて名残惜しくて、その理由が仲の良い友達との別れだからなのか、それとも心を寄せているからなのか……。
それがわからないまま一緒に放課後を過ごす日々を送り、そして数週間が過ぎた。
「こうしてると、なんか懐かしいな」
「えっ？」
「ほら。去年とか、中学の時もこうして二人で帰ってただろ？」
「あぁ。そんなこともあったね……」
そんなある日、亮がふとある話題を口にした。それをきっかけに、あたしは中学の頃の記憶を呼び起こした。