一途の流れ星

□始まり
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――なんだったんだ?

そう疑問に思わずにいられなかった。と言うより、突然すぎてそれ以外の気持ちの持ちようがなかった。

笹倉に呼び出されて屋上に向かう途中、突然背後から浅野に呼び止められた。そして告げられた内容と言えば、告白にしか聞こえないものだった。

しかも、言うだけ言って逃げやがったし……。

「三島先輩、遅かったじゃないですか」

とりあえず浅野のことを頭の片隅に追いやって屋上に出れば、当然だけど、そこには笹倉がいた。約束した時間に数分遅刻した俺に頬を膨らませたものの、それはすぐに笑って許された。

「まぁ、よくあることだから多めに見ますけど」
「俺、そんなにしょっちゅう遅刻してるか?」
「少なくとも、生徒会にはよく遅れてました」

話をしながら、俺は笹倉に近寄った。遅刻が多いという自覚はなかったけど、よく考えれば、クラスで浩介たちと話が盛り上がった時は数分遅れて生徒会室に入ったことがあった気もする。それでも回数は多くないほうだと思っていたから、こいつは本当に俺のことをよく見ていたんだな、と思わされた。

そんな笹倉が、わざわざ人のいない屋上に俺を呼び出した。なんとなく、理由はわかっている。

彼女は俺を正面から見て、少し緊張した様子で口を開いた。
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