一途の流れ星

□エピローグ
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長い闘いの冬が終わった。

晴れて大学生になったあたしは、新しい友達に囲まれて毎日を満喫していた。

「ねぇ、麻美。今日もサークル?」
「ううん。今日はデートなの」

放課後の予定を尋ねられ、あたしは笑顔で答えた。すると、尋ねてきた彼女――同級生の雅は、あたしの顔を見て盛大な溜息を吐いた。

「何よ?」
「いや。随分彼氏さんのこと愛してるんだな、と思ったから」
「……そんな顔してた?」
「してた」

雅に指摘されて、あたしは慌てて両手で顔を押さえた。すると、雅はくすっと笑ってあたしの頭を軽く叩いた。

「冗談。羨ましかったから、ちょっと苛めてみただけ」

そう言った雅に、あたしは少しだけ頬を膨らました。でも、それを「まぁいっか」と許せるのは、やっぱり彼と良い関係を築けているからなのかもしれない。

そんなことを思いながら雅と別れて、あたしは待ち合わせ場所の駅前へと向かった。時間を見れば、まだ少し余裕がある。彼が来るまで、あたしは久しぶりに会う彼がどんな顔で現れるか、楽しみにしていた。

「浅野!」

そして待ちわびた声がして、あたしは久々に会う彼――亮に向かって大きく手を振った。
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