ミドリンより!

□『ごめんね、』
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高尾side





「(園原おっそ!)」





今は6時45分。
昨日の放課後、俺は園原にいつもより30分早く登校してほしい、と言った…筈だった。

いつもなら7時半から朝練だから、下っ端の俺らは7時に登校してればいーんだけど、それより早く登校する必要が今日はあるんだなー。



なんでかっつーと、昨日たまたま見ちまったオウジの腕の痣がどーしても引っかかったから。
園原に痣の事を昨日言わなかったのは、言った瞬間にぶちギレる
と思ったから。

まぁ入学当初から仲の良い二人は3週間たった今なんか、”熱々カップル”なんて言われてんだぜ?(勿論、園原が彼氏ポジションなのは秘密だけどな)



話を元に戻すぜ。
その痣なんだけどな、あれは絶対にだれかにやられたヤツだ。
でなきゃあんなのは出来ねー。



で、その誰かっつー話だ。
クラスでも癒しキャラ扱いな##MANE1##だ、クラスメートってことは絶対ない。
大体園原がいつも側にいるから、もしオウジを煙たく思ってるヤツが他クラもしくは、先輩に居たとしても危害を加えられる心配もない。

つまり、園原と一緒に居ないとき、部活で一人のときにあの痣を作ってるって事だ。
前にオウジは今一人暮らしだって言ってたから、虐待って線はまずない。

消去法でいって、この朝の自主練の時間だっていう結論に辿り着くわけで、その時間帯に一緒にいる人間は”緑間”だけだ。



ていうのが俺の推理。

でだ、何故に来ない園原!
朝に弱いのは知ってたけどこれはねーだろ!
携帯を取り出して、ディスプレイを見たが、今んところ園原からの連絡はねぇ。





「はぁ…」





しかたねぇ、電話するか。





プルルルッ





「…。」





プルルルッー





「…出ねーなぁ、」





あー、もー最悪こうなったら俺だけで確かめるしかねー。

とりあえず、今は正門にいるから体育館に移動だ。

まぁ、正直緑間の名前を出してあそこまで反応されるとは思わなかった。ありゃビンゴだな。

それにしても、出ねー。





ピッ





「俺、緑間に一人で太刀打ちできっかなぁ?」





バスケ選手として低めの身長を何度か恨んだことはあったけど、今回はまぁ、うん。
とりあえず、通話終了ボタンを押して、制服のズボンのポケットに突っ込んだ。



あー、やべぇ。
変な緊張してきた。

いつも歩ってる道がすげー長く感じたぜ、マジ。
体育館入んのにこんだけ緊張したの初だわ。

とりあえず深呼吸、深呼吸。
いいか、俺。平常心だ!
何があっても平常心だ!和成!





「ふうっ…」





ガチャッ





「はよーっす!」





シーン…






「ぇ、」





なんだよっ、人が折角意を決して入ったてのに!
でも、シュート練してた形跡があるって事は居るって事だよな…





「緑間ー、いんのかー?」





とりあえず緑間を呼んでみた。
まぁ返事が返ってくるとしても、「騒がしいのだよ。」だけだと思うが…反応なしかよ。

ん、段幕が開いてる?





「オウジ?」





そーっと顔を覗かせてみたらそこにはオウジが使っていたであろう平均台とドリンクやらが置いてあるだけ。

二人していないって…じゃあ一体…





「いや、まてよ…まさかなぁ、」





ふと一瞬ヤバい光景が、俺の頭をよぎった。
その瞬間、俺はこれから朝練があるというのにも関わらず、全力で一年の教室へと走っていた。





































―――――――――――――――
―――――――――――――
――――――――――





「はぁっ…!っクソ、どこにいんだよ!」





一年の教室には緑間達はいなかった。
7時近いせいか生徒もぼちぼち来はじめている。





「マジでどこだ!」





ピリリリリ――





「誰だ…園原!」





乱暴に携帯を開いてみると、画面には園原と表示されてた。





「おい、園原!今どこ「《今?保健室前だけど…》」たくっなんで保健室なんかに…おいなんか聞こえねぇか…」
「《え?》」





微かに今声がした。





「園原、中誰かいんのか。」
「《いや、わかんないけど鍵掛かってて入れないんだよ。》」
「わかった。
取り敢えず今いくから動くなよ。」
「《ちょ、高尾待って!》」
「なんだよ!」





さっきより小声で話す園原。





「《き、聞こえたんだけど…声。》」
「聞き取れるか、話。」
「《分かんないけど、多分男子と女子の声こも…
てかなんでそんな焦ってんだよ高尾。》」
「オウジと緑間が体育館にいないんだよ!」
「《はっ?…別にどうってこと…
え、じゃあこの声って…》」

「園原!」
「高尾、」
「おい、誰かいんのか!」





今はKYとかいっるひまなんかねぇ!





『高尾くん…痛っ!』
「オウジいんのか!」
『いっ、もう無理!
そこ痛ぃ、』
「我慢するのだよ。
もう終わる…」





特徴的な喋り方に俺は確信した。
緑間がいることに。





「おい、緑間!
お前なんでいんだよ!」
「貴様には関係ないのだよ。」
「知るか、つかなんで鍵なんか掛けてんだ!
必要ねーだろ!」
「これは龍皇寺がかけろと五月蝿いから掛けただけだ。」
「っのぉ…あんた夏桜に何したんだ!
さっき痛がってたじゃ"ガチャッ"え…」





園原も状況が理解出来たのか、扉に向かって怒鳴りつけた瞬間、鍵が開く音がした。
あまりにも突然のことで、俺も園原も困惑しながら扉を開けた。

開けて最初に目に入ったのが緑間で、何かを書いていた。
次に目に入ったのが備え付けのベッドに"普通に"座っているオウジだった。





「夏桜!大丈夫か!」




園原の声で我に返り、俺もオウジに近付いた。





『え、何が?』
「だってさっきこいつに何かされたんじゃ!」
『あ、手当してもらってたんだよ』
「「え、…」」
『自主練してたら背中打っちゃって…
私は大丈夫って言ったんだけど真太郎が「真太郎!?」えっ、あ!』





え、ちょっと待って。
今オウジ、"真太郎"って言ったよね!?





「自分で墓穴を掘ってどうする、夏桜。」





えぇぇえぇ!!!
呼び、呼び捨て!?





「あのさ夏桜、こいつとどういう関係なの?」
「ちょ、園原直球すぎっ!」
『え、あの…』
「もういいだろ。
これではバレたも同然だ。」
『うん…そうだね。
二人とも、今まで黙っててごめんね、実はね…』





(このあと俺たちは衝撃をうけることとなった…)
(いや、もう驚きすぎて死ぬかと思ったわマジで…)
(『付き合ってるの私たち…』なんて言うから…)
 
 
 
 
 

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