うたプリ♪
□おはよう
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ドクンッ。。
胸内が不規則に脈を打つ。心ノ臓が不機嫌を訴えている。
(。。。またか。。)
徐々に強くなる不快な胸の痛み。内側を抉る様な痛みだ。
暗闇の中、痛みをこらえ、身を丸めつつ柔らかなシーツを握り締める。
冷たい嫌な汗が額を伝い、掛け布団に落ちる。
翔は自分の心臓が大嫌いだ。このポンコツの所為で、真夜中に一人孤独に耐えることも少なくない。
そして毎回、もう朝日は拝めないだろうと覚悟を決める。
(なんで俺ばっかりが。。。)
ギリリと歯が鳴る。痛みと悔しさで瞳が潤む。
すると、ふわりと温かい物が掛け布団の上から俺を抱きしめた。
「!!。。な。。。つき。。?」
いや。。。今は夜。眼鏡はしていないはず。
ーー砂月だーー
襲われるっ!と、反射的に身を起こす。が、激しい痛みが体を襲い、息が詰まる。
「っう。。。。」
「。。。動くな。チビ」
息を詰まらせ、布団に倒れこむ翔を砂月が受け止め、耳元で囁いた。
「大丈夫だ。何もしない」
那月とは雰囲気は違えど、同じ声。自然と力が抜ける。
そして、ゆっくりと深い闇に落ちていったのだった。