掌編小説置き場。
□ファースト、キス。
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クリスマスの日。
私は、ファーストキスを奪われた。
十二月二十五日、クリスマスの日は終業式だった。
浮かれた雰囲気はなく、口々に学校があることを嘆いている生徒が多い。私もその一人なのだけど。
二学期が終われば、すべからく冬休みがやってきて、新年がやってきて、三学期がやってきて。
たかだか二週間の間に、いろんなものが巡ってくる。せわしないな〜とぼんやり思うけど、期待もあったり。
新年になればお年玉だって貰えるし、福袋やセールもある。
ちょっとセンスが悪くても、やっぱり安いに限る。女子の経済事情はいつもピンチなのだ。
来年は、ちょっと髪型も変えたい。結構伸ばしてきた相棒。そろそろ手入れが大変になってきた。
まぁそんなこと頭の中で垂れ流していれば、先生の話など聞こえないわけで。二学期最終日はつつがなく終了した。