TRANSFORMERS<Side:D>
□Part1「専門外だっての」
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各国に置かれている米軍の駐留基地。
最近の中東情勢の悪化に伴い、各駐留基地の軍備は増強され、配属される軍人の数も増えている。
ペルシャ湾へ飛び出しているカタールには、特殊作戦基地が置かれている。
そこへと帰還するヘリがあった。
「あーあ、週末までには戻れるもんかなぁ」
「いつもみたいにぬるいビールとホットドッグを持ってレッドソックスの試合でもみたいもんだ」
顔を黒く汚しながらも笑って言葉を交わす屈強な男達。
夕暮れ時、ヘリの窓から見える地平線に太陽が近づきつつあった。砂の丘の陰影が美しい。
「大尉は週末なにしたいですか?」
そう聞かれたのはアメリカ陸軍大尉のウィリアム・レノックス。
その質問を聞き、彼は幸せそうに笑いながらこう言った。
「生まれたばかりの娘を早く抱っこしたい」
「おお〜ういいパパ」
「羨ましいぜこの野郎」
冷やかしに照れながらも相変わらずにやけているレノックスに冷やかしはヒートアップ。
生まれたばかりの幼い娘と、自分の帰りを待つ妻。彼女たちと衛星通信でビデオ通話をするのが、彼の唯一の癒しだった。
そんな彼らを乗せたヘリが、基地へと到着しようとしていた。