Short Story in TF

□12000HIT記念
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むかしむかしあるところに、にんげんとロボットがいっしょにくらすくにがありました。
でもなかはよくありませんでした。
にんげんはじぶんとなにもかもがちがうロボットといっしょにいるのがこわかったのです。
でも、こわいことにきづかずに、かれらをばかにしているばかりでした。
だからけんかはしょっちゅうで、ロボットのせいにされることがほとんどでした。だからロボットはにんげんがきらいでした。


あるロボットがけがをしました。にんげんのせいでした。かれはともだちをかばってけがをして、そのともだちとはぐれてしまったのです。

ゆうぐれのまちをさまよっていたロボットは、あるにんげんにあいました。
そのにんげんはとてもきれいなひとみをもっていました。そのにんげんはおんなのこでした。
めがあったしゅんかん、ロボットのむねがあたたかくなりました。
おんなのこはロボットのけがをなおしてあげました。やさしくこえをかけてくれました。
ロボットはおんなのこともっといっしょにいたいとおもいました。
かれはしばらくのあいだ、おんなのこのところにおとまりをしました。たくさんのことをはなしました。
おんなのこといっしょにいると、むねがとてもあたたかくなってきもちがいいから、ずっとずっといっしょにいたいとおもいました。


でも、おんなのこにはたいせつなひとがいました。そのひとはおんなのこの”こんやくしゃ”でした。
こんやくしゃにみつからないように、ロボットはかくれてふたりをみていました。
おんなのこはみたことのないえがおでこんやくしゃといっしょにいました。ロボットのむねがとてもいたくなりました。
いままでよりもっともっとずっとずっといっしょにいたいとおもうようになりました。

ロボットはともだちにそうだんしました。ともだちはそれをきいてとてもおどろきました。
かれはロボットにこういいました。


「きみはゆるされないことをしてしまったようだね」


ロボットにはわけがわかりませんでした。なぜともだちがそういうのか、りゆうがわかりませんでした。


「きみはをしているんだよ」


それがゆるされないことでした。ロボットはあたたかいきもちもいたいきもちも、恋のせいだとしりました。
ともだちはもうおんなのこにあわないほうがいいといいました。でも、ロボットはしってしまいました。
あいたい、はなしたい、さわりたい、いっしょにいたい。
ただそれだけのこともできないこんなからだ、いまのロボットにはいりませんでした。
ロボットはともだちにたのみました。


「おれをにんげんにしてくれ」


そうすれば、かのじょといっしょにいられるからです。かのじょをじぶんのものにできるからです。
あんないたいおもいをしなくてすむからです。
ともだちはかんがえなおすようなんどもいいました。でもロボットのへんじはかわりませんでした。
ともだちはねがいをかなえることにしました。そしてやくそくさせました。


じぶんがあのときのロボットだとかのじょにおしえないこと。
もうじぶんのところにはにどとこないこと。
ほかのなかまやともだちとにどとあわないこと。


ロボットはすべてにうなずきました。ともだちはかなしくなりました。でも、ともだちだからかなえてあげたいとおもいました。









そしてロボットはにんげんになりました。  
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